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2019.05.08

【令和初の上映会:5月20日(月)東京】

「令和初の~」の波に乗ってみました。(笑)

上映会を開催してくださるのは、拙作「Behind THE COVE」を何度も繰り返しご覧になってくださっている葛城奈海さん。
「Behind THE COVE」は、繰り返し鑑賞される方が多いのですが、葛城奈美さんのケースは、まずDVDでご覧になり、今回含め自ら上映会を2回開催してくださり、大雪の中で決行された東京大学での上映会までにも足を運びくださり、そして上映会の後、新しい発見があったと興奮され、夜中にDVDで繰り返しご覧になったそうです。(もし、この回数を上回る方いらっしゃったら、お知らせください!)

「令和・初の上映会」ということですので、せっかくなので、天皇とクジラの関係について触れておきますね。

映画の中で知ったという方も多いのですが、神武天皇が古事記でクジラの唄を残しています。
実は、この件ではUCLAで日本を研究熱心なアメリカの学生さんから「古事記は存在しないのでは」と質問を受けましたが、私は「古事記が現存しなくても古事記の存在が否定されているものではない」と答えました。

他方、古事記の存在だけでなく、戦後、教科書で初代天皇である神武天皇の存在自体も神話化されているのも事実です。 本当はどうなのか、奈良にある神武天皇陵が鍵を握るので、確認してみました。神武天皇陵には、納骨はされていないとのことで、「大日本史」において徳川光圀氏が当時、現在の神武天皇陵だと断定したそうです。
(途中で「私は何の映画作ってるんだっけ?」状態になりました。笑)

そして、神武天皇がクジラの唄以外に残した言葉で有名なのは、現在では、あまり耳にすることなく禁句となった言葉「八紘一宇」です。 国会で三原じゅん子さんが発言し、少し騒ぎになりました。
今では、タブー用語になった背景には戦時中に日本政府によって使用された言葉だからです。

そして、なんと興味深いことにアメリカ政府が製作した映像の中に、その「八紘一宇」の紹介があります!
私が映画を製作する上で、どれだけ米国でプロパガンダ映画が製作されてきたのだろうか?と、調べたうちの出てきたうちの1つです。
映画製作後、70年を経過しパブリックドメインなので下記に紹介します。
(15分40秒あたり〜)
https://www.youtube.com/watch?v=zBIfnPyK4rw

「八紘一宇」は戦後処理が行われた東京裁判でも議論の対象になったことばです。
議論の焦点は「世界征服」か「世界皆兄弟」か、です。
真逆な捉え方ですが、結果はどうか、というと、後者の平和的な意味の「世界皆兄弟」と判定されました。
そして、神武天皇とクジラにまつわるエピソードを上映会の後に紹介したところ葛城奈海さんが、単なるクジラの話ではなく、「現代にも続く歴史認識に関わる深い話だ」、と繰り返しご覧になっている理由があるのです。

あまりに熱心なので、その背景の資料や映像も入れた「Behind THE COVE」の製品版になる前の3時間半バージョンを特別にお見せした数名のうちの1人でもあります。

来年は東京オリンピックが開催されますが、ちなみに、1964年の東京オリンピックでは宮崎県にある「八紘一宇」塔が、平和の意味を込めて聖火リレーの地点でもありました。
今の認識では考えられませんね。

初代天皇が残した1つの言葉を巡って、時代により不思議な事象が起きていますね。
ふ~む。

<5月20日(月)上映会申し込み先>
【東京】5月20日(月)「ビハインド・ザ・コーヴ」上映会&八木景子監督と葛城奈海さんによるトークショー – 美し国

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