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2017.06.05

【京都大学:上映報告】

初めての「ザ・コーヴ」「ビハインド・ザ・コーヴ」2本立てということで、どうなるかと思いましたが、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
来場者はいつもの3倍位の方がお見えになったそうです。
また、外国人と日本人が半々。
京大関係者が三分の二。三分の一が外部からでした。

パネリストは「ザ・コーヴ」主演のリック・オバリ率いるドルフィンプロジェクトからTim Burnsがスカイプで参加、学術的な方面の担当として元日本捕鯨協会に在籍歴ありハーバードで日本の調査捕鯨について研究されていた若松文貴氏、そして映画製作については八木、という形で行われました。
なおシーシェパードを長年追っかけている佐々木記者もいらしたので引きずり込もうと思ったけれど、テンコ盛り状態でした。

「ザ・コーヴ」「ビハインド・ザ・コーヴ」を上映後には主催者から鯨類の脳みその大きさは人間の脳みそより大きいというプレゼンがあってから討論会がスタート。
討論会は予定の7時より大幅に押してエンドレス状態で8時半位まで続きタイムアウト。それから、主催者の方々とカレー屋さんで11時位までホテルのチェックイン時間ギリギリまで話が尽きませんでした。
(最後の最後までドタバタで主催者の方と写真を撮り忘れてしまいました。)
そして大学に隣接する学会用などで使用されている充実した施設をお手配してくださりました。

今回、お声掛け頂いた担当者の方と私は主催者が霊長類について研究するグループなので捕鯨反対が圧倒的に多いだろうと予想していましたが、挙手でアンケートを取ったところ、意外と賛成、反対といった意見を持った人が少なく、どっちかわからない、という方が圧倒的に多かったことです。

毎回、思うのですがガチな反捕鯨の方と話しても平行線。
屠殺の仕方が非人道的と言い、改善すれば「伝統でない」となる。
屠殺シーンを隠すのがやましい、というのなら、オープンにすれば良いのか、と尋ねるとオープンも嫌だ、という。
若松氏から「伝統」のポイントが違う、と指摘されていた。
食べることへの伝統、捕獲の仕方の伝統ではない、と。
反対する側にとっては何をしてもダメで何か理由をつけて反対したいのだな、としか見えて来ない。

ただ、それでも話しても無駄だと思って話す事をもし止めてしまったら、この会話の”やりとりの矛盾点をあぶり出すこと”、を提示することができない。
だから討論する意味がある。
それでは、今までの「反捕鯨側だけが主張を喋る」、「捕鯨推進側がダンマリ」、という構図に戻ってしまうと、あたかも、赤い血を見せて活動する反対側が正しいと思ってしまう人が増殖(長年そうだったように)なってしまう。
疲れるけれど意見を発信し続けることを止めたらいけないな、と自分に言い聞かせている。

イベント上映後には、「ザ・コーヴに洗脳されていました」と声を掛けてくださった方がいた。
こういった声を聞くと映画を作った甲斐があったな、と思う。
また、どこで上映しても共通するのは、反対側の思想の方でも「いろんな知らない情報があって良かった」とは言ってくださる。

今回のプログラムで素晴らしいな、と思ったのは上映後、討論会、その後、交流会、とプログラムを組まれていた。海外の方は討論は討論、その後、握手をするがよくあるけれど、日本は思想が違うと無視する、ネットや陰で不満を言う、で交流を持たない。私はここは欧米式を見習った方が良いな、と常に思っている。

帰りは「ザ・コーヴ」でルイ監督が隠し撮りのヒントを得た、という龍安寺で石庭を観てきました。

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