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2016.10.03

【世界の映画祭&アカデミー賞について】

このたび、先日のロサンゼルスとチェコに続き、イタリア・ミラノの映画祭に選ばれた事をご報告します。
Best Director of a Foreign Language Documentary | Milan 2016 - Film Fest International

これまで国内の配給に注力しておりましたので映画祭(本来は製作期間から応募期間が限られているため同時進行するべきところ)へのエントリーは暫くしていませんでしたが、国内配給が落ち着いた頃に、まだ応募できる期間のことろに応募したところ、続々と朗報が届きました。本作にアメリカ、ヨーロッパ両エリアで反応があったことは大変嬉しく思います。

映画祭の仕組みについて一般の方からよく質問されますが、基本的に映画祭というのは、主催者側が勝手に作品を世界中から選ぶのではなく、制作側がお金を払ってエントリーするものです。(または映画祭の知り合いの関係者が声を掛けるなどもあります。)一般応募では高いところではエントリー代だけで1万円位もする場合もありますが、予算がある作品であれば、100以上の映画祭に応募しまくるということもよくあります。

本作はこれまで、モントリオール後に英語の招待メールが沢山きていたので追っかけることが出来ず映画祭に詳しい専門家であるセールスエージェントに頼もうと思ったのですが、セールスエージェントがなかなか見つからず、結局、映画祭の方は放置しておりました。今から応募できるところを自分で応募し始めたところ、かなり高い確率で好い返事を頂けております。映画際の厄介なのは、応募する際、映画祭の格付け順で応募する暗黙のルールがあることです。例えばモントリオール世界映画祭が8大映画祭なら、その下の格付け順に応募するなど考える必要があるのです。逆に先に小さな映画祭に選ばれたら格上の映画祭から落とされてしまうという、面倒な仕組みがあります。

また、アメリカのアカデミー賞についてもご説明します。こちらは作品が一定の条件をクリアしていないと、ノミネートの土俵自体に上がれません。その一つが米国での興行。たとえ数多くの映画祭で選ばれた作品だとしても、劇映画ならロサンジェルス、ドキュメンタリー映画に関しては、ニューヨーク、ロサンジェルスの2都市で1週間以上の興行(商業劇場での上映)をすることが条件の一つなのです。

そして本作「ビハインド・ザ・コーヴ」は、今回、このアカデミー賞のノミネート資格取得に向けクラウドファンディングの力を借りて無謀にもチャレンジしております。
通常、映画人なら絶対しないであろうアカデミー賞に対し媚びる事なく批判した映画『ビハインド・ザ・コーヴ』は、ノミネートされることはないでしょう。
しかし、映画『ザ・コーヴ』と同じ土俵に乗せることで、この賞を選ぶアカデミー会員に対し『彼らが選んだ作品の後遺症を伝える』という重要な意味と役割があるのだと信じています。

今日は、世界の映画祭と米国アカデミー賞の仕組みの違いについてのお話でした。

八木景子

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